思ったこと

横浜線の踏切で老人を助けようとして電車にはねられ死亡した女性のニュース。*1目の前で娘の死を目撃することになってしまった父親が事故当日のテレビインタビューで「助けようとした方が助かって良かったです......そう納得するしかないじゃないですか」とそれまで数分間気丈に話していたのにこの言葉キッカケで涙をこらえきれず泣いていた。その翌日母親もインタビューを受けていて取り乱すことなく受け答えをしていた。取材拒否もできただろうに真摯に取材を受けていた。ご両親のインタビューを見て、まるで10年前くらい過去のことを語っているような印象をうけたのはなぜだろう。こういう行動ができる娘さんを育てたご両親だという違和感はないんだけど、あまりにも人間ができすぎていらっしゃる。静かに語るその様を見て胸が締め付けられる思いになった。
その女性に首相から紅綬褒章と感謝状が贈られることになったらしい。勇気を称えるとかなんとかで。たぶんだけど勇気とかじゃないから。助けに行ったのは彼女にとって普通のこと。見て見ぬふりをするほうが大変なだけ。道路に火がついたタバコが落ちていたらどうするか?一瞬の迷いもなく火を消して拾ってコンビニの灰皿とかに捨てる。自分は普通にそうする。この例えがこのニュースに合ってるのかは知らないけど、捨てるのが普通の人もきっといて、一瞬どうするか迷って見なかったことにする人や迷って火を消す選択をする人もいるはず。でもその人たちの普通を私は解ってあげられない。というか普通のことだから考えて行動をしていない。
女性の友人が「こんな事を言ってしまうのはあれですが」と前置きをしてインタビューに答えていた。「彼女が気付くタイミングがあと少しずれていたら良かったのに」