始まってしまう裁判員制度。
昨日の深夜に放送していたNONFIXを見た。
裁判員制度を導入した疑似裁判を展開しつつ、裁判に関係する色々な立場の人の意見を取り入れた良い番組構成だった。
こういう良い番組を26時頃からやるというのは非常に勿体無い。
疑似裁判内容はメディアでもよく取り上げられていた山口母子殺害事件。
今でも無期懲役が妥当なのか死刑が妥当なのか、まだ終わっていない事件である。*1
その事件の公判内容を結構忠実に再現しているとあった。
裁判官役の元裁判官、弁護士たち3人
一般公募で選ばれた裁判員役の6人
検察官、弁護士役は現役の方たち
被告人役と被害者遺族役の役者さん
被告人の不幸な生い立ち、犯行当時18歳という年齢。
大変申し訳なかったと反省する証言台前の被告人。
被告人が友人に宛てた反省の色全く無しの手紙の内容。
死刑をもってしっかり事件と向き合ってほしいと発言する被害者遺族。
はっきりいってわからない。
わからないって言ってしまったら元も子もないが……。
死刑に値する犯罪をこの被告は起こしてしまったという事はわかる。
しかし人殺しを間接的に殺すことのできる死刑という判決を自分ができるのかがわからない。
もしこの事件が身近な人に起こったら……。
私の親友が殺害されその後強姦をうけ、生後11ヶ月の親友の子供も殺害されたとしたら……。
犯人を殺してやりたいという気持ちはあると思う。
目の前に犯人がいて私が包丁を持っていたら刺し殺してやりたいという気持ちはある。
そいつが警察につかまってのうのうと生きていたら死刑しか刑罰はないとは思う。
気持ちはある……その後にあるものがわからない。
もしかしたら判決を下した後の自分の後味が悪くなるのが嫌なのかもしれない、正直なところ。
先日、東京地裁に行き久しぶりに裁判傍聴をしてきた。
最近はブロスに特集が組まれるほど傍聴は人気が出てきましたから。*2
新件の裁判だと最初に被告人の生い立ちが語られる。
同情しちゃうくらい不幸な生い立ちだったり、粗悪環境で生活していたということがわかる。
裁判が進んでいき、被告人が尋問をうける。
それを聞いて、だから人を殺しちゃったのね、だから人を騙しちゃったのね、だから薬に手を出しちゃったのね…とは思う。
「だから?」
何を書きたいのかもまとまらないうちにいつも書いてしまうのがいけません。
裁判員制度が導入されるとどうなるのでしょうか?
番組の疑似裁判ではこの事件に関してほとんどの裁判員が死刑という量刑を選択していた。
この事件は実際には無期懲役を求刑され最高裁までいき、審議差し戻しということになって今に至っている。
18歳だった被告人は現在25歳。
23歳だった被害者遺族の本村さんは現在30歳。
そしてもう歳を重ねることのない被害者の23歳の奥さんと11ヶ月の子供。
この制度を導入すると判決まで今よりもっと短い期間で終わると予想されている。
でもそれで本当にいいのかもよくわからない。
裁判員制度を始める前にとりあえずもっと裁判に興味をもってもらうことから始めないといけません。