お見舞いの行き帰り、必ず見る風景。


個室の無菌室から出た親友との面会はガラス越しではなく隣りに座って。
触れられる距離で話すのがこれほど安心できるのかと知る。
話している途中に隣りのベンチにご夫婦が座りにきた。
旦那さんが入院していてお見舞いにきた奥さん。
奥さんの方が私たちに話しかけてきてくれて、色々と話す。
旦那さんはとても珍しい病気で16年もその病気と付き合っているらしい。
奥さんも同じく16年その病気と付き合っている。
「負けちゃだめよ、自分に負けちゃだめ、頑張ってね」
最後にそう言ってご夫婦はエレベーターに消えていった。
振り返ると親友は泣いていた。
その涙を見て私も泣きそうになる。
そのあと色々な思いが駆け巡る。
下らない話をして笑いながらも色々と考えていた。
でも辿り着くところはnumberを幸せにしたいだけなんだということ。
また日曜日行って下らない話をしよう。


この前ツレにnumberとの出来事を愉しげに喋ったら「相手は心配させまいとそう振舞ってるだけだ」と強い口調で言われた。
そんなこと分かってるよ!と言うのが至極面倒でそのあと何も話さなかった。
ダメだね、そんなんじゃ。