ツグノフの森@三鷹市芸術文化センター星のホール5/27 14:00

舞台上で物語が終わったとき、拍手するのを忘れていた。混沌とした感情のまま三鷹駅までとぼとぼ歩く。
「なんて、薄っぺらいんだ」最後のこの台詞で全てがぶった斬られた。そしてペラペラ(△)は三角なんて存在しないという秘密を抱えたまま宇宙…なのかなんだか知らない場所へ帰って行った。ツグノフの森を残して。色々な愛のカタチを残して。登場人物の数だけ愛があり闇に棲んでいる。画家と眠る女の関係はアルモドバル監督作品「talk to her」を思い出す。私はこの映画が嫌いだ。眠る女に無償の愛を注ぐ看護士の男。眠る女が起きたとき画家に対して「気持ち悪い」と発言した、あれと同じ視点。映画では女が男を好きではない…というところからスタートしているから、女側の視点から見始めて劇場で見ている間ずっと気持ち悪かった。ツグノフで眠る女に自衛官がしていただろうセックスも映画では看護士がやっていた。しかし舞台では最後に恋人ではないという事実が分かり、今回男視点で初めて見ることになった。本当に無償の愛がそこにあった。もしかしたら片桐仁の純粋ぞオーラのせいかもしれないが…。もう1度違う視点で映画を見るのもいいのかもしれない。あとバークレイとペラペラの存在。もしや最初と最後で違うバークレイだったりする?ペラペラは何しに来た?細かく考えればキリがない。かといって大まかに考えられない。色々な事情の人間模様が「薄っぺらい」で片付いた、そんな印象。「ようするに」で終わる物語。それでも生きていかなくてはいけない、哀愁。
意外とステージと座席が近く臨場感があったにも関わらず、眼鏡の度が合っていない。自分相当目が悪くなってます。作り直さねば…。役者陣のキャラの幅広さはとてもいい。あと水野顕子の肌の白さに驚く。透き通るほど白いってまさにこの人のこと。
そうだ。最初に貰ったチラシの束を眺めながらG2ってのは何人組なんだ?ってくらい捲っても捲ってもG2演出って書いてある。こんなにやって消化試合にならないのか不思議。
開演前劇場内で音楽が鳴っていたが確認できたのはキセルの「ハナレバナレ」