曽我部恵一 presents「shimokitazawa concert」番外編@下北沢440

中村一義サニーデイ・サービスが100人キャパのライブハウスに集うという事件。この2組の音楽を青春時代の日常に浸み込ませて生きていた人たちを多く知ってる。自分もその1人なんだけど、2012年11月9日下北沢で座標軸が重なったことがどれだけのことなのか。奇跡というよりもっと相応しい言葉がほしい。
そもそもこのライブが発表されたのはライブ2週間前でチケット発売は平日の店頭発売と約20名のメール予約枠という狭き門。ちょうど店頭発売日に仕事が休みという偶然を味方につけ、昼前から並びはじめ無事にチケット購入。最終的にかなりの列になり半分くらいの人が買えずにいた。少しだけ申し訳ない気持ちになる。

枯れ葉/恋におちたら/ここにいる/謎/月光荘/威風堂々/シルバースター/まる・さんかく・しかく/青春狂走曲/犬と猫/NOW/ハレルヤ/きれいだね/永遠なるもの/(en)恋は桃色

対バンというよりそれぞれの歌を全員で演奏し歌うというライブでした。中村曲のときはサニーデイがバックバンドという感じだし、サニーデイ曲のときは中村君がメインボーカルやる部分もあればコーラスにまわったりという感じ。最初2曲まではサニーデイのみで、それからはずっと4人のステージ。「金字塔」からの曲が多くて「謎」なんてライブで聴ける日がくるなんて思ってもなかった。中村君は譜面台を見ながら歌ってて、歌詞も声も若干不安定で、でも幸せそうに歌ってる姿は尊いとすら思えた。「犬と猫」は曽我部さんと田中さんのコーラスが入っててなんか別物に生まれ変わってた。「青春狂走曲」を聴いて「犬と猫」ができたという話は初耳だったけど「どうだい?」と「どう?」だったね。「NOW」ラストのランラン♪歌うとこは会場が合唱になると思ったのにならなかったからとランランおかわりをする曽我部さん。一緒に楽しむということよりもステージの音楽をどれだけ聞き逃さず体に浸み込ませることができるのかという姿勢でいたものだから、楽しむことを忘れていた。ランラン歌ってからの「ハレルヤ」大合唱。とっても楽しい空間。
気持ちを込めて歌います。と言ってはじまった「永遠なるもの」は今までの時間を声出しに利用していたのかと思ったほど素敵に歌いあげていた。6分30秒ほどの歌のあいだ、自分の人生の軌跡を思い返しながら苦しくなってどうしようかと思った。自分にとってこの歌は深いところに連れていってくれる。そんな歌を2列目という至近距離で聴くことができ感動というより動揺した。犬と猫の「どう?」よりも「どう?」と問いてくる歌だから。
終演後、会場外にいた曽我部さんがいたので「月光荘、最高でした!」と伝え握手して頂いた。最初4曲は夢のようにふわふわして気持ちここにあらず状態だったのを月光荘の出だしの声の重なりで現実世界にグイっと引き戻された。しかしまだ痩せた曽我部さんはまだ見慣れないや。
このライブ本当は兄と見たかった。仕事の都合で叶わなかったけど、何か区切りになる気がしたんだよな。サニーデイを教えてくれたのは兄だったし、日比谷野音で初めて中村君のライブを一緒に見たのも兄だったから。
こんな素敵な夜を企画してくれて、ありがとうございました。これからの人生でこの晩のことをたぶん何度か思い出す。それが気持ちを落ち着かせるときなのか奮い立たせるときなのかは分からないけど、大事な場面で思い出すと思う。
あ、あとMCで言っていた曽我部さんと中村君が雑誌企画で一緒に作ったオムライス記事が載ってたのは月刊カドカワから引越したfutureという雑誌です。持っていたはずなのに実家に残してきたばっかりに捨てられてしまいました。無念。
では、次は武道館で会いましょう。