怪我と後悔

実家に帰ると坂の上にあるスーパーに歩いて行く。父と子と私。父は自転車の荷台に子を乗せて押して歩く。何度目かのとき慣れたからと父がゆっくり漕ぐことを条件に荷台に子。そして、というかやっぱりというか2回目で恐れていたことが起きた。子の右足が後輪に巻き込まれた。少し後ろを歩いていた自分は巻き込まれていく足を見た。普段なら曲がらない方向に向いた足。急いで駆けつけ車輪から足を引っ張り出し大泣きする子を抱っこして走って家に帰った。確実に防げた怪我。子に対して申し訳なくて、危険な目にあわせてしまった後悔が瞬時にどっと押し寄せる。土曜の夕方で診てくれる病院を探すため一番近い総合病院に電話。そこから消防に電話して今の時間に救急診療をしてくれる一番近い病院を聞く。今すぐ診てもらわなければ、という一心で足の皮膚が抉られてしまって泣き止まない子は父に任せ、といっても父もどうしていいか分からず涙と鼻水を拭くのみ。2つ隣町の病院まで行きレントゲンをとってもらい骨折はしていないと分かり一安心。傷の処置のみで済んだ。折れてないとはいえ痛いはずで、5日くらい歩かなかった。が、幼稚園に通い始めたら少しずつ歩いてくれるようになり幼稚園の環境に感謝。

 

昨日3歳の子がマンション9階から転落死というニュースがやっていた。熱で幼稚園を休んでいて寝ている隙に母親が買い物に出掛けた間に起こった悲しいニュース。寝たばかりだから急いで行ってくれば大丈夫と思ったんだろう。子が1人で寝ている隙にダッシュで買い物したこと自分もある。病気の子を連れて買い物にはいけないから、できればしたくないけど今のうちにってすごく分かる。我が子と同じ3歳だからどの程度出来たり動けるのかも分かる。窓の鍵はもう1人で開けれる、のに我が家にはチャイルドロックなど付けていない。ベランダに台になるようなものがあってそれに上って転落した、我が家にはベランダに台になるようなものはないけど椅子を運んでくることは出来る。 きっとこの子は起きたらいるはずのママがいなくて、部屋中をくまなく探してもどこにも居ないからベランダに出て外を見ようとしたんだろうな。ひとつひとつが悲しいほどに鍵穴にカチッとはまってしまった。起きてしまったことはもう戻らない。この子のママの後悔がどうかどうか………このあとの言葉が全く思い浮かばない。この後悔が消えることはないし月日を重ねるごとに膨らんでいく。もし生きていれば七五三、入学式、卒業式、成人式……想像しただけで苦しい。このママにずっとそっと寄り添ってくれる存在が絶えませんように。