ダイアログ・イン・ザ・ダーク


行ってきました、目の慣れることのない暗闇の世界へ。
見えないと分かっているのに目を見開いてよく見ようとしていました。
そんな長い距離を歩いた訳じゃないのに足が凄く痛いんです。
暗闇で足を一歩踏み出すのがどれだけ勇気のいることか。
実際は一歩なんて大きく踏み出せず半歩ずつ、じわりじわりと進んでましたが。
初対面の人達とチームになって進んで行くんだけど、
顔が見えないときのほうがコミュニケーションをとろうとして、よく喋りました。
昔からの仲間同士でピクニックに行っている感じ。
でもイベントが終わり顔が見えた途端に声を掛けられない雰囲気になっていました。
たぶん、知らない人同士で声を掛け合わなくても安全に歩いていける世界だからでしょうね。
私なんか「このあと皆で飲みに行こうぜ」くらいの気持ちでいたのに(笑)。
まぁ、そんな事ないのは分かっていましたがね。


あとリーダーの視覚障害者の方が凄いんです。
すいすい進んで行くんです。
あと見えているかのように皆にアドバイスをしてくれるんです。
「あと一歩前に出れば降りれますよ」と言われ
自分でも分かっていないのに実際あと一歩でその場所から降りれたり。

このくらいのネタバレは許されると思うのですが、点字ブロックの上を歩きます。
いつも意識もせず踏んでいる点字ブロックにとても助けられました。
最後光のある出口に出ると外で待機していたスタッフの方が
「リーダーの方を隣の部屋まで誘導してあげて下さい」と言い参加者ひとりが腕を貸しました。
その様子を見たとき「あ〜そうか」と思いました。
出口を出て隣の部屋で皆でお別れを言うまでが、このイベントだったのかと。
言葉だとどうしても伝えにくいイベントです。
でも皆さんに体験してほしいです。


暗闇を1時間くらいかけてただ歩く。
この【ただ歩く】という行為がどれだけ難しくて面白かったことか。