朝が来る

朝が来る

朝が来る

何かしらの理由で妊娠した子を育てられない女性から出産してすぐ子供を迎えいれたい夫婦に託す。そんな養子縁組制度を利用した家族のもとに実母を名乗る女から子どもを返してほしい、それが無理ならお金を用意してほしいという電話がかかってくるところから始まる。
本屋大賞ノミネート作品ということでメディアで取り上げられたりしてたので気になっていた作品。いくつかの家族が出てきて、様々な家族のカタチをみせてくれる。どの家族にもいえるのは子供を大切にしたいという思い。その思いからの言動が正解か不正解かは誰にも分からない。だけど、中学生で出産した片倉ひかりには家族という括りではなくちゃんと寄添ってくれる大人が必要だった。いや、ひかりが心の底から信頼できる大人が必要だった。負の連鎖の末路。孤独そのもの。そして最終章で知らないうちに家族として受け入れられていた彼女に対して私は希望の光をみた。家族とはなんなのか。母親とは。もうすぐ生まれる我が子に私はどんな家族をカタチを見せてあげることができるのだろうか。この時期にこの作品を読めて良かった。