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A3【エー・スリー】

A3【エー・スリー】

5日前くらいに読み終えていて、何か書き残しておきたいとずっと思いながら時間が過ぎた。前作の映画は2本とも観てる。「A」は森さんのトーク付きで観た。事件や教団内のことを伝えるというより個人そのものに焦点を合わしている。そして今回は麻原を1人の人間として扱っている。その視点に違和感はない。メディアの陥れようとする、世間の意向に同調するほうが違和感を感じる。ちょっと違うかもしれないけど秋葉原無差別殺傷事件の判決が出たときニコ動でその事件についての生放送を見たんだけど、犯人の元同僚が出てて事件直後のインタビューの際顔出しNGを条件に取材を受けたみたいで普段着だと特定される恐れがあるからテレビ局側が衣装を用意したらしい。その衣装が犯人が犯行当時着ていたベージュのスーツを用意してたそうだ。その元同僚の容姿はオタクっぽいっちゃぽかった。だからなのか日テレ。その演出は酷いというか意味が分からない。けどその生放送のとき誰よりも解りやすく彼に対して真摯に、直球な言葉で話していたのはその元同僚の方だった。きっとそんな言葉は今までメディアにはのってないだろう。
どんどん脱線する。去年ネイキッドロフトのオウムを語るイベントに行った。目の前にはテレビでしか見たことない上裕さん。何に驚いたって話が抜群に面白い。内容もだけど話し方は興味をそそるし聞かせる。冗談も言う。A3の中で麻原もオーラというか何かあったらしい。人を惹きつける何か。言葉の内容はどうでもいいのかもしれない。何かさえあれば後は受け手側が勝手に作り出す。ちょっと恋にも似てる。相手が何をやったって自分に都合のいいよう解釈する。相手を信じたいというより相手を信じた自分を信じたいんだろうな。
A3を読んだ感想に程遠いけど途中次女、三女に対して鬼畜がうずうずと現れると表現したところも含め森さんの視点が好き。本を読んでいっぱい思ったことあるんだけど、まとめられない。刑事責任は勿論ある。けど訴訟能力はない。一貫してその視点が揺るがなかった森さん。オウムイベントのとき外にパトカー1台とゲスト名が載った看板を見て「懐かしいー」と言いながら通り過ぎたカップルがいた。その現状がこのA3によって何かしら変わればいいとは思った。