1/13(昼)ザ・プラン9 23rd「仇男」@新宿シアターサンモール


初生本公演。自分がプラン9にとりつかれたのは本公演のDVDがキッカケだから期待せずにはいられない。前回のコントスタイルは散々なこと書いちゃったけど、本公演に期待。・・・いやいや期待しすぎると辛くなるので、やんわり期待。
唯一のプラン9仲間とよかわさんと初対面。公演前にドキドキピークがここで。優しそうな方でひと安心。
↓【ネタバレ満載】


舞台終了直後は何だか納得いかなかった。物語的にではなく他のところにツッコミどころがあったからかな。でも今となっては、もう1度見ておきたい公演なのかもしれない。本当にもう1度だけになる気もするような、しないような。
仇討ち法役人、浅越浩志。チャラいホスト、鈴木つかさ。マリリンというアイドルのヲタ、なだぎ武。小指がないホームレス、お〜い!久馬。何もかも普通な役者、ヤナギブソン。1人ずつ仇を討ちたい人のことを語る。そのあとにあったタイトル出しが圧巻。女性の書道家さんが「仇男」と相当大きな紙に書いてみせる。個人紹介オープニングはなかったけど、この演出の格好良さに期待指数が一気に上昇しちゃって気持ちを静めるのが大変だったよ。やるじゃん、久さん。
その書道オープニングのあとでじっくりセットを見ると「仇討ち」というより「拷問」しかもかなりの西洋風。う〜ん。あと中盤のグダグダ具合がいただけません。密室劇になるんだから、かなりの制約が生まれるの分かってるでしょうよ。どんな方法で仇討ちをするのか1人ずつシュミレーションするんだけど、やってる人間以外の人がほぼ棒立ち。みんなで様子を見てるってことなんでしょうけど、何だか見てて居た堪れなくなってしまった。あと突然始まるマリリンソング。なだぎさんにはほぼノータッチ。あの空気コワイ。
お遊びコーナーは5人エチュード。箱に設定が書かれた紙、もう1つの箱には50音カードが入っていて、引いた言葉から始まる台詞を話さないといけないというもの。設定は「お菓子メーカーの新商品開発会議」誰がどの50音カードを引いたかは割愛。憶えてないんで。エチュードスタート直後、なだぎさんがいきなりルール無視(笑)。最初から違う言葉で始めていました。浩志の引いた「ろ」は厳しかったようで「ロッテに勝ちたいです」以外、発言ゼロ。途中で「ろ」が剥がれたのでまた別のカードを引きなおしていました。しかしギブさんの「れ」貼りっ放し事件。ゲーム後すぐ浩志の真面目な語りに入ったのにギブさんの胸には「れ」のカードが(笑)。シリアス台無し。そりゃクスクス笑い声も起きますよ。
物語の終幕に向けて、途中から仇討ちは浩志が仕組んだことだと気付いたんだけど、まさかの娘の莫大な治療費募金活動中に蔑ろにされたことを根にもってだったとは・・・。密室でそれぞれがそれぞれの仇討ちターゲットで・・・と浩志はそれぞれに密告して人を殺させ、自分は全く手を汚さない。その派手な血みどろ殺戮の原因がこれかと。賛否両論あるだろうけど、この落差が自分は好き。物語として「自分だけの正義」を振りかざす展開は色々な映画や舞台を見ても魅かれてしまう。
エンディングトークはもちろん浩志の病気のこと。ホント無事で良かった。あとオープニングの書道家先生が出てきて「今回の出来は60点」と言っていましたが、そんなことないですよ。小さい体であの迫力のある文字。圧巻でした。
作品の疑問も多く残ったけど、それつついてたらキリないからいいか。あとやっぱり鈴木つかさ演出で観たかったかな。久さんがどうとか、って訳じゃなく単純につかささんの演出ファンだから。
しかし、なだぎさんが追いかけるアイドル、マリリンがアジアン隅田さんだったとは。一瞬めっちゃ可愛く映ってて無駄にびっくり。