宇多田ヒカルと私

宇多田ヒカルは同年代のトップスターだ。デビューしてすぐ世間が沸き、自らCDデッキの再生ボタンを押さなくてもテレビやラジオやコンビニから彼女の歌声が聴こえてくる。宇多田との関係なんてそんなもんだった。女性に恋愛の歌ばかり歌われるとどうも拒否反応が出る時代だったんだと思う。

それから月日は流れ、2016年人間活動から表舞台に復帰したアルバム「Fantôme」を私は迷わず購入。2017年「初恋」は発売日に買いに出掛けた。そして2018年12月私は宇多田ヒカルのライブを見にさいたまスーパーアリーナに足を運ぶまでになっていた。

 

宇多田ヒカルのマイベストソングは「あなた」CDで初めて聴いたときこの歌は私が子に対する揺るがない思いそのままが詰め込まれていると思った。この歌だけ繰り返し聴いた。歌詞の考察が書かれているこのリンク先を読んで更に好きになった。韻を踏んだ先にたくさんの「ai」を散りばめてくれていたなんて。「あなた」は彼女が母親目線で作成した初めての歌らしい。初めて見る宇多田ヒカルのライブが「あなた」からスタートしたことは忘れないと思う。私は「あなた」をこれからも繰り返し聴く人生を送るんだろうな。たぶん親になっていなければ宇多田ヒカルの歌の再生ボタンを自ら押す人生はなかったかもしれない。これからも同じ時代に人の母親である彼女の歌を同じくらいの子を育てながら聴けるなんてとても幸せで心強い。